クレーム対応の進め方

コールセンターのクレーム対応|事実確認・記録・引き継ぎの進め方

執筆・編集:株式会社サンクネット / 更新日:2026年11月3日

クレーム対応では、相手が困っていることを把握し、確認できた事実と要望を整理して、必要な確認・判断を得たうえで回答します。言い回しだけで解決しようとせず、回答できる範囲、記録する内容、責任者へ相談する条件を決めます。この記事では、電話窓口での対応手順と運用上の確認点を説明します。

相手の用件と、求めている対応を確認する

最初に、何が起きたのか、いつ・どの商品やサービスで発生したのか、どのような対応を希望しているのかを確認します。相手の話、社内の記録、まだ確かめていない内容を混ぜないことが大切です。

用件を整理する際は、「お届けした商品が注文内容と異なり、交換をご希望ということでよろしいでしょうか」のように要点を確認します。氏名や注文情報などは業務に必要な範囲で扱い、本人確認が必要なときは決められた手順に沿って進めます。

電話で相手の状況と要望を確認する窓口対応のイメージ

確認できたことと、回答前に調べることを分ける

その場で分からない原因、返金・補償、対応期限を推測で約束しないようにします。不便をかけている状況への配慮を伝えながら、確認する項目、次の連絡方法、連絡できる時期を具体的に案内します。

状況に合わせて調整する案内例
場面案内の例
事実確認「注文内容と発送の記録を確認します。確認のため、注文番号を伺えますか」
責任者へ相談「この内容は責任者の確認が必要です。ご希望とこれまでの経緯を共有します」
回答時期が未確定「現時点では完了時期をお約束できません。確認後のご連絡方法を相談させてください」
対応範囲の説明「こちらの窓口では○○まで承れます。△△については担当部署で確認します」

上記は応対文の例です。実際の契約・規定・権限に合わせて使用します。特定の言葉を一律に禁止するだけでなく、事実を説明できているか、実行できない約束をしていないかを確認しましょう。

確認・相談する情報をそろえ、回答待ちを管理する

責任者に「お客様が怒っている」とだけ伝えても、判断には足りません。発生したこと、要望、確認済みの内容、未確認事項、すでに案内したことを分けて相談します。窓口から回答する場合は、確認された方針や承認の範囲を確かめて説明し、回答内容と相手の反応を履歴に残します。権限や安全上の理由で責任者が直接対応する場合は、経緯と約束した連絡を引き継ぎます。

  • 受付日時、対象の商品・サービス、案件を特定する情報
  • 申し出の内容と経緯、希望する対応
  • 確認した記録と、まだ確認が必要な点
  • 案内済みの内容、約束した連絡、次の担当者

通話が終わったことと、案件が解決したことを分けて管理します。返答待ちや処理待ちが残る場合は、担当者と確認予定を記録して、連絡漏れを防ぎます。

対応内容を責任者と共有して確認するイメージ

苦情とカスタマーハラスメントを一括りにしない

苦情には、商品やサービスの改善に必要な指摘も含まれます。相手を人物像で決めつけず、要求の内容や言動を確認します。暴言、脅迫、執拗な要求などで対応者の安全や就業環境に影響がある場合は、一人で抱えず責任者や社内相談先へつなぎます。

会社として対応する基準、記録の扱い、警告や対応終了を判断する責任者を定めます。業種や個別事情によって対応上の配慮も異なるため、電話を一律に切る運用にはしません。参考:厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」

2026年10月1日から、カスタマーハラスメントを防止するための措置が、すべての事業主に義務付けられています。現場の応対技術だけに任せず、会社としての方針と相談・対応の体制を整えることが必要です。

  • 方針と対応基準を共有する:どのような言動を問題とするか、誰が対応を引き継ぐかを定め、管理者を含む従業員に周知します。
  • 従業員が相談できる窓口を設ける:顧客向けの受付窓口とは区別し、担当者が迷った時点で相談でき、相談先が適切に対応できる体制を整えます。
  • 事実を確認し、担当者を保護する:発言・要求・経緯を記録し、必要な配慮や再発防止につなげます。相談者のプライバシーを守り、相談したこと等を理由に不利益な取扱いをしない方針も周知します。
  • 特に悪質な言動への対処を決める:責任者への交代、警告、対応終了、専門家への相談など、業務の性質に応じた方針と実行体制を準備します。

正当な苦情や、障害に関する合理的配慮の申出を、それだけでカスタマーハラスメントと扱うことはできません。消費者の権利、業法上の義務、個別の事情を踏まえて判断します。

制度の確認先:厚生労働省「カスタマーハラスメント対策の新ルール」、カスタマーハラスメント防止指針(2026年11月1日確認)

個人の話し方だけでなく、業務の原因も見直す

同じ苦情が続く場合は、説明資料が分かりにくい、発送連絡が届かない、引き継ぎ先が不明といった原因も確認します。応対記録を用件別に整理し、FAQ、案内文、処理手順、商品・サービス側の改善担当へ共有します。回答の根拠と適用条件を確認できた内容は資料に反映し、変更点を担当者へ伝えます。個別に認めた補償や特別対応を、ほかの案件にも使える基準として扱わないことが必要です。

録音や履歴を教育に利用する際は、閲覧できる人、利用目的、保存方法を決めて適切に扱います。対応者への振り返りでは、問題点だけでなく判断に迷った箇所を聞き、相談できる体制や手順の不足も確認します。

委託先と共有すべき対応方針

電話窓口を外部に委託しても、自社に必要な雇用管理上の対応や、商品・サービスの判断までなくなるわけではありません。委託元・委託先それぞれの責任者と相談窓口を明確にし、対応者の保護、事実確認への協力、返金・補償などの承認、悪質な言動への対処をどちらが担うか共有します。

録音や応対履歴を双方で確認する場合は、利用目的、共有範囲、閲覧権限、保存期間を決めます。受託側の担当者が対応を続けられない場面でも、現場任せにせず責任者同士で調整できる連絡先を用意します。

窓口を委託する場合は、回答できる範囲、返金・補償などの承認先、緊急時の連絡方法、記録項目、未解決案件の報告を事前に合意します。サンクネットには、受付・記録、社内への確認、確認結果に基づく回答、回答待ちの管理を含む窓口運営を相談できます。責任者による直接対応が必要な条件も、現在の対応手順や負担が集中している場面とともに確認します。

依頼範囲と費用を、業務の状況から相談する

対象の業務、月間件数、受付時間、現在困っている点をお知らせください。窓口の運営から受付後の事務処理まで、必要な範囲を整理します。

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受付内容・件数・時間帯から、必要な運営体制を整理します。

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